【日時】
2026年2月28日(土)14:00~17:00(予定)
途中入退室可といたします。前半だけのご参加、後半だけのご参加も可能です。
【場所】
今回はハイブリッド開催です。拓殖大学の会場とオンラインで行います。
オンライン開催(Zoom利用)/拓殖大学文京キャンパス(東京)
拓殖大学文京キャンパス
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」下車徒歩3分
東京メトロ有楽町線「護国寺駅」下車徒歩12分
お申込みの際に「オンラインでの参加」か「東京会場での参加」かお知らせください。
【参加費】
無料(テキストも不要です)
【内容】
「考える漢字の会」について
『考える漢字・語彙 超級編』の考え方 ‐自分でルールを考える問題を中心に‐
藤田佐和子(富山大学)
〈休憩〉
ワークショップ:新しい漢字字体学習法K-codeを使って漢字の形を説明する
伊藤江美(拓殖大学)
【お申込はこちらへ】
受講を希望される方は、令和8年2月20日までに、以下のURLからお申込みください。
https://forms.gle/3WkQMvuczDMWNUjE9
*これまで「考える漢字の会」にご参加くださった方にも楽しめる内容となっております。
*『考える漢字・語彙 超級編』を持っていない方でも、問題なくご参加いただけます。
*この案内の転送、転載を歓迎いたします。
開催にあたっては、早稲田EDU日本語学校に全面的にサポートしていただいています。
問合先:考える漢字の会 藤田佐和子
kangaeru.choukyuu@gmail.com
以下、詳細です。
『考える漢字・語彙 超級編』(藤田佐和子著 ココ出版)の考え方をもとに、初級の語彙教材を作ってくださった方がいらっしゃいます。語彙の意味や用法の背後にあるルールを考えて理解する――そんな学び方です。自分で考え、さらにみんなで考えて理解を深める。協働学習にもつながるアプローチです。
この考え方や方法は、やっかいな多義語の理解や記憶にも効果があるのではないでしょうか。今回はそのような試みを実際に皆さまとご一緒に行ってみたいと思います。教師が教えるのではなく、学習者自身が考え、ルールを見出す――そんな体験の時間です。
東京会場とオンラインをつないで、ご一緒にルールを考えます。考えたルールは果たして実際に使えるでしょうか。学習者の立場で、いろいろ考えていただければと思います。
皆さまのお知恵をお借りできれば幸いです。うまくいけば、これまで覚えるのが難しかった漢字や語彙が、少し身近に、そして楽しく覚えられるようになるかもしれません。
休憩を挟んで後半は、拓殖大学の伊藤江美先生によるワークショップです。(以下は伊藤先生より)
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「5段活用・上一段活用・下1段活用・サ行変格活用・カ行変格活用」という見るからに難しそうな国語教育の動詞の活用を、日本語教育では「1グループ・2グループ・3グループ」という用語でわかりやすくシンプルに教えています。「形容詞・形容動詞」も「イ形容詞・ナ形容詞」とわかりやすくシンプルです。 一方、漢字の教え方はどうでしょうか? 日本語教育のわかりやすくシンプルな教え方や用語があるでしょうか?
私はK-codeチームで、元エジプト人留学生のイマーン・タハ博士が非漢字系日本語学習者向けに考案したK-codeを用いて、カタカナ・漢字の字体学習の実践・研究を行っています。 K-codeはカタカナ・漢字の線(点画)を6つのコードと3つのルールでわかりやすくシンプルに説明するメソッドです。K-codeで漢字を説明すると、学習者は漢字を正しくきれいに書けるようになります。(このおかげで、私は学習者を褒めまくる楽しい授業を実現しています!)
当日は、まずK-codeの簡単な説明をした後、K-code導入の模擬授業をします。次に参加者の皆様に(グループでもお一人でも)、書き間違いの多い漢字の注意点をK-codeで検討し、発表していただく予定です。」
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私事ではございますが、この3月をもって金沢大学の「漢字・語彙7クラス」がなくなり、今後はこれまでと同じ形で「考える漢字の会」を継続することが難しくなりました。
そこで、最後にもう一度、拙著の考え方を体系的にご紹介する機会として、9月の会では「自律学習」を中心に話をさせていただきました。拙著は「考える」ことを軸に、「自律学習」や「協働学習」を進めることができる教材集です。前回はその半分をお話しした形になります。
今後は、残るもう半分――「考える」「協働学習」について取り上げます。
今回は拓殖大学から貴重な機会をいただきましたので、その一部「ルールを考える」を取り上げて話すことにいたしました。当初は今回の会で一区切りとするつもりでしたが、まだお伝えしきれていないこともあり、もう少しだけ会を続けてみようと思います。
次回は令和8年秋頃の開催を予定しています。
漢字・語彙に興味をお持ちの皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
オンラインで、東京で、お会いできることを楽しみにしております。
【お申込はこちらへ】
受講を希望される方は、令和8年2月20日までに、以下のURLからお申込みください。
「考える漢字の会」について:『考える漢字・語彙 超級編』の考え方―自律学習から協働学習へ―
藤田佐和子(金沢大学)
実践報告:AIのSuggested correctionを利用した中級日本語作文練習の試み
星野智子(立命館アジア太平洋大学)
今回は、300名を越えるお申し込みをいただきました。
私事ではございますが、この3月をもって金沢大学の「漢字・語彙7クラス」がなくなり、今後はこれまでと同じ形で「考える漢字の会」を継続することが難しくなってまいりました。最後にもう一度、拙著の考え方を体系的にご紹介しようと思い、今回は、「自律学習」を中心に取り上げてお話しさせていただきました。
*次回は2026年2月8日(土)に「協働学習」中心の話をいたします。
以下、終了後アンケートでいただいたご質問、ご意見です。
【ご質問】
moodleの環境は無いのですが、紙ベースで使えるようなデータは無いでしょうか。
【藤田】
同様のご質問はいくつかいただいているのですが、残念ながら紙ベースの小テストはございません。
【ご質問】
質問です。授業で取り扱った漢字すべてについて今日お話しされたような活動をされたわけではないと思います(授業時間数との関係で)。220の漢字を何か月で学び、漢字何文字について今日のような取り組みをされたのかをお伺いしたいです。
【藤田】
〈「何か月で」への回答〉
私は、拙著の学習漢字212字を、90分×15コマ(出版当時)でしました。1コマ×12課と、最初のオリエンテーション、途中の中間テスト、最後の期末テストで15コマです。
〈「漢字何文字について」への回答〉
授業で取り扱った漢字のすべてについて、活動(「1人1文リレー」「漢字語彙でストーリーを作る」)をしました。
やり方は、その時その時で違うのですが、例えば「漢字語彙でストーリーを作る」活動ですと、「1課~6課の学習漢字の語彙を使って」ストーリーを作りなさいというのが最初の課題、「1課~12課の学習漢字の語彙を使って」作るのが次の課題でした。
「1人1文リレー」の場合は、3課の学習が終わった翌週に「3課の漢字の語彙を使って、リレー」をしましょうというようなことを、毎時間しましたので、こちらも授業で取り扱った漢字はほとんど(定期テストの日はしていないので、6課と12課ではしませんでしたが)扱ったことになると思います。
今回の会で紹介した学生のアンケートにもございましたが、学生はどの語彙を使おうかと「覚えましょう」を真剣に見ることになります。丸暗記とは違った、生き生きとした言語活動につながるのではないかと考えております。
【ご意見】
漢字や読み、意味を覚えること、その漢字を使った語彙を覚えること、語彙の使い方を覚えることまで一連の流れがつながっていて素晴らしかったです。いかに興味をもって能動的に効果的に授業に参加できるようになるかの仕掛けやそれができるまでの生徒の反応や試行錯誤などとても参考になりました。また、「テストはここから出るよ」と伝えることで「テキストを開かせる」動機付けなどもすぐ取り入れられそうです。教師ができることは動機付け、モチベーションのキープ、達成感など気持ちの部分と、なるべく何かの印象に紐づけて記憶に残す努力だと思います。ありがとうございました。
【藤田】
話したことを見事にまとめてくださって、ありがとうございます。
私は、「教師はなるべく教えない」を目指しています。実際にはなかなか難しいことではありますが。おっしゃる通り「動機付け、モチベーションのキープ、達成感など気持ちの部分と、なるべく何かの印象に紐づけて記憶に残す努力」をまさに今、日々しているところです。
次回、来年2月28日の会では、この「なるべく何かの印象に紐づけて記憶に残す努力」について話す予定です。今回の会では自律学習(主として授業時間外に学習者がすること)について話をしましたが、次回は授業中に実際にどのようなことをするかについて話します。どうぞお楽しみに。
「考える漢字の会」について:藤田佐和子(金沢大学)
講演:稲田栄一(関西学院大学)
日本語教育に携わるみんなで考える 生成AIを用いた教育実践のあり方
実践報告1:掛川知美(University of Wisconsin- Eau Claire)
漢字学習を支えるChatGPTの活用事例
実践報告2:藤田佐和子(金沢大学)
金沢大学漢字・語彙7クラスの活動より ―ChatGPTを使って―
グループワーク:「生成AIって何だろう? 悩みやアイディアを共有しましょう」